黒の忍び装束は"忍者風コスプレ"?

忍者の黒装束はウソ!ただの”忍者風コスプレ”?

[忍びのこと
;2016/10/08

忍び装束についての質問で、「忍び装束持ってる?」に次いで多いのが「忍者ってほんとにああいう格好してたの?」です。

装束は黒?

忍びの格好と言えば、第一に浮かぶイメージが「黒い」服装ですよね。マンガや挿絵で見る忍びの他、各地の忍者ショーなんかでも黒い装束を着ていることが多いです。

本当に黒い装束だったのか?
色について、「真っ黒」の装束はなかったといわれています。

まず、当時の染色の技術では、黒に染めるには何度も重ねて染める必要があったそうです。当然、手間がかかれば高価になる。
忍びは、大勢に紛れて潜入するのが基本です。多くの農民が持たない、高価な装束を身につけるでしょうか。

ましてや、すべての忍びが同じ色の装束を着ていたと考えるのも不自然です。ただでさえ物珍しい色なので、「黒い装束=忍び」と知れ渡ったら仕事になりません。
警察官が制服を着て潜入捜査しているような危険度合いですね。

そして、黒い服というのは案外闇に溶け込まない色のようです。
例えば、月明かりだけが頼りになるような暗さの中に、真っ黒の服を着た人が立っていると、輪郭がくっきり浮き出てしまいます。夜間の行動にも、あまり向かないということですね。

本当の忍び装束

「黒っぽい」に一番近い色で言うと、「濃紺」が当てはまります。
藍染めの手法は奈良時代から長く続いており、原料の藍も植物でよく採れたそうです。
特に伊賀忍者は、藍染めによる濃紺の装束を着ていたのではないかと考えられています。

濃紺より茶色っぽいのが、渋柿を使って染める「柿渋」色です。
柿渋染めは滋賀県に伝わる染色技術なので、甲賀忍者はこの柿渋の装束を着ていたのではないでしょうか。
この技法で染めた布は、空気に触れることで酸化して黒っぽく変色するそうです。

濃〜い紺や茶色が、今の黒い装束のイメージにつながったということですね。
どちらも農民が普段着として着ていた色で、忍びは同じ格好をして、こそっと行動するときは覆面用の布だけ巻いたと考えられます。

と言うことで、忍び装束の色としては、厳密には「黒っぽい」色が正解。
「真っ黒」の装束は、『忍者風コスプレ』ということでした〜。