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忍者の入門書おすすめベスト3!あなたも伊賀忍者になれる?

つい先日、私が伊賀忍者について熱く語っていると、「言葉じゃうまく分からないからイラストで描いて欲しい」「写真はないのか」と言われてしまいました。
時代背景とか言葉で説明できるようなことならいいのですが、道具とか薬とかわからないですよね。

なので、「これを読んで」と渡した本を3冊、こちらでも紹介しておきます。
もし手に取る機会がありましたら、読んでみてください。
どれも難しい専門書じゃないので、さくっと読めると思います。
気になるところだけ読んでもいいですしね。

伊賀流忍者博物館の館長が監修した入門書

まずはこちら、「イラスト図解 忍者」(2012年、日東書院本社)。

イラスト図解 忍者

忍びの起源や忍術、道具、実在した忍者など、基本的なことが一通り網羅されている入門書です。
監修は、伊賀流忍者博物館の名誉館長で三重大学の特任教授でもある、川上仁一先生。

イラストや図が多いので、さらっと読めると思います。
でも深いところまで書いてあったりするので、初級〜中級くらいまでしっかり学べるのでは、という一冊。

児童書と侮ることなかれ

次に紹介するのが、「秘密の忍者&忍術事典」(2014年、大泉書店)。

秘密の忍者&忍術事典

こちらなんと、児童書なんです。
でも、すごい深いところまで学べるんです!対象年齢何歳だろう〜。

発売当初に、たまたま、書店の在庫検索PCで「忍者」で検索してみたら出てきたんです。

児童書コーナーだしイラストの多い子ども向けかなぁと思ったら、確かにイラストは多いんですけど、すごく詳しく書いてあるんです!
最近の児童書はすごいですねー!

「忍者の修行をしてみよう」的なページもあっておもしろいです。

伊賀忍者の里が発行した秘伝書

最後は「伊賀流忍術秘伝之書 煙りの末」(1999年、伊賀上野観光協会)をご紹介します。

伊賀流忍術秘伝之書 煙りの末

100ページほどの冊子ですが、項目を細かくわけて、それぞれ簡潔にまとめられています。
項目ごとに写真を挟んでるので、イメージが伝わりやすいです。

伊賀上野観光協会が発行していることもあって、内容は伊賀の忍術書がメインであったり服部半蔵についてまとめてあったり、忍者全体のことより伊賀忍者寄りですね。

こちら書店には売ってないんですが、楽天で見つけました。気になる方はぜひ!

これ1冊であなたも忍者マスターに!伊賀流忍術秘伝之書『煙(けぶ)りの末』

「るろうに剣心裏幕-炎を統べる-」で株を上げた佐渡島さん

「るろうに剣心」、実写映画が爆発的にヒットしましたね。
少年ジャンプで連載していたのは、もう20年も前になるそうです。

そんな「るろ剣」の番外編「るろうに剣心裏幕-炎を統べる-」を読んで、佐渡島さんについて語っておきたくなったので書き殴っておきます。
なんかもうマンガの感想とかじゃなくなってます。佐渡島さんの感想です。(←?)

るろうに剣心 裏幕─炎を統べる─ (ジャンプコミックス)

主人公は佐渡島さんでいいと思う

「裏幕」の主人公は、悪役なのに大人気の「志々雄真実」。
本編が始まる1年前の東京で、志々雄が「駒形由美」と出会い、はじめて十本刀を集めた時のストーリーです。

単行本1冊に、漫画と小説が含まれています
それぞれ別の話じゃなくて、どちらも志々雄と由美の出会い〜十本刀の初陣を描いた(書いた)ものなんですが、やっぱり漫画の方はページ数おさまらなかったんでしょうね。
なんかすっごい飛ばしてます。笑

で、メインはもちろん志々雄真実なわけですよ。
志々雄の「計画」のため、東京の吉原を拠点に十本刀の「瀬田宗次郎」や「佐渡島方治」が暗躍するわけです。十本刀を呼び寄せたり、兵力を集めたり。

ここで、正直、佐渡島さんに対する認識を改めなくてはならない事件が起こってしまいました。

ていうか、佐渡島さんのことあんまり認識してなかったかもしれない。(ごめんなさい)

ということで、改めて佐渡島さんについて確認してみました。(Wikipediaで)

“百識”の方治。志々雄の参謀で、頭脳明晰であり実務能力に長けている。黒い瞼が特徴。血液型B。
以前は明治政府官僚であったが、その内情に失望して野に下り、流離っていたところを志々雄と出会う。上海マフィア(雪代縁の組織)から甲鉄艦煉獄を始めとする膨大な兵器を購入、一派を単独で明治政府と戦争し得る強大な組織へと作り上げた。

めっちゃ頭良くて、頭良すぎて志々雄一派に加わるくらいブッとんでる人で、ことあるごとに「志々雄様バンザイ!」って叫ぶうるさい人だと思ってました。(たぶん、実際はそんなに叫んでないです。)
実写映画なんか「頭が良い設定どこいった?」ってくらい「志々雄様バンザイ!」レベルが高かったですし。

そんな志々雄信仰の筆頭な佐渡島さんですが、なんと「裏幕」でちょっとイイ感じになっちゃう女性が現れたわけですよ。
志々雄真実のカッコいい悪役ぶりを見るための単行本で、まさか佐渡島さんのプチ・ラブロマンスをお目にかけるとは…。
これはもはや事件と言っても過言ではありません。(過言です)

相手は、ド真面目な官僚出身の佐渡島さんとは真逆の、の〜んびりした性格のへらへら〜っとした挙動をとる吉原の新造(しんぞう:見習い女郎)さんです。

一応お客なのに、マイペースな新造さんに振り回される佐渡島さんが、すんごい普通の人っぽくて新鮮なんですよね。
漫画は前述の通り、ページ数の関係でわりと駆け足なんですが、小説の方でシーンの補足があって、なんか文字で見ると余計に人間臭さがにじみ出てます、佐渡島さん。笑

過去話によくあるアレな展開(察してください)になってしまうんですが、アレな結末にならなければ、本編の頃の佐渡島さんってちょっと印象違ったのかなぁ、なんて思ったりしました。

やはり志々雄一派は悪役として魅力的だった

とにかくページ数の関係で駆け足なので、そこが残念でしたね。
作者の和月先生も、あとがきで「ページが足りなくて大変だった」とおっしゃってました。ほんとに、単行本1冊まるまるくらい読みたかったです。

私は、なぜか「るろ剣」に対する思い入れが強いんです。
もちろん作品が好きということもあるのですが、始めて読んだ少年漫画だからかな〜、ちょっと他の好きな作品とは思い入れが違います。
連載当時の新書版の単行本を持ってるにも関わらず、文庫版をボックスで大人買いしちゃったり、画集とか設定資料集とか「欲しい」と思う前に買っちゃってしまってるくらい。気がついたら本棚にある感じで。

志々雄は「比古清十郎」の次に好きなキャラクターなので、和月先生が志々雄の番外編書く、って聞いたときは「今年はいい年になる」と感極まったものです。もう去年の話ですね。

それがまさか、佐渡島さんの株が上がってしまう作品になるなんてなぁ。

そういえば、「るろ剣」は私が日本史好きになったキッカケのひとつでもあります。
教科書で写真を見るより先に、「るろ剣」で「大久保利通」を見たので、いまだに私の中で真っ先に浮かぶ大久保さんは、「るろ剣」の大久保さんなのです。

「応天の門」レビュー

平安朝きっての色男・在原業平と秀才・菅原道真が怪異に挑む「応天の門」がおもしろいよ

発売当初から気になってた「応天の門」を、昨年末や〜っと読むことができました!

自分の中で久しぶりにヒットしたマンガなので、紹介がてらまとめておきます。

応天の門 1 (BUNCH COMICS)

在原業平と菅原道真って誰だっけ?

日本史好きじゃなくても名前くらいは聞いたことがあると思います。

在原業平は歌人として有名で、百人一首に選ばれた「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは」はよく知られてますね。そうです、あの競技かるたをテーマにした少女マンガのタイトルの由来にもなった和歌です。
業平は天皇の孫という高貴な血筋に生まれ、さらに蔵人(くろうど)という天皇の秘書的な役割を担い、和歌がウマくて顔がイイから女の人にはモテモテ、という非リアがうらやむフィクションのような存在です。

一方の菅原道真といえば、現在は学問の神さまとして信仰されてますね。非常に勉強熱心で仕事もできたので、天皇に重用されました。遣唐使制度の廃止は小学生でも知ってるのかな?たしか早いうちに習いますよね。
晩年は左遷された先の太宰府で亡くなりますが、その後京都で災厄が相次いだことで「道真のたたり」と恐れられ、それを鎮めるために北野天満宮が建てられました。月日がたって、学問の神「天神さま」と広まっていたそうです。
ちなみに道真さんの和歌も、百人一首に選ばれています。(「このたびは 幣も取り敢へず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」)

業平と道真の関係性

「応天の門」は、朝廷イチのモテ男・在原業平と、朝廷イチの秀才・菅原道真がタッグを組んで、京の都を揺るがす怪異に挑む平安ミステリーコミックです。

実はこのマンガを読むまで知らなかったのですが、業平と道真って交流があったんですよね。
Wikipediaによると、

“平安朝きっての秀才”ということで今日では学問の神様だが、当時は普通の貴族であり、妾もいれば、遊女遊びもしている。とりわけ、在原業平とは親交が深く、当時遊女(あそびめ)らで賑わった京都大山崎を、たびたび訪れている。

とのこと。
業平の方が20歳くらい年上だから、たぶん女遊びを教えたのは業平だろうな、とか思っちゃったり。(ごめんね、業平さん)

艶男業平、女遊びの帰りにひきこもり学生道真に出会う

始まりは、京の都で起こった女性の行方不明事件と、そのさなかの二人の出会いから。

朝廷では藤原氏が今まさに権力を欲しいままにしようとしている中、事件が起きる。「鬼の仕業」だとも噂されるようになり、帝の不安を取り去ろうと、業平が事件解決の任にあたります。

業平は夜遊びの帰りに偶然出会った道真の、優れた観察眼と頭の回転の早さに気づき、なかば無理矢理に捜査に加わらせます。しかし「鬼」の正体に検討がついたところで、業平は「これ以上は深追いしない」と言い出す。証拠があるのに何故「鬼」を捕まえないのか、と反論する道真は業平に「学はあっても世を知らない」と言われてしまいます。

普段から「周りは無学で騒がしいバカばっかり」とこき下ろす道真が、「貴族こんちくしょう」と持てる知識をフル活用して真犯人を引きずり出す結末が爽快です。

平安版ホームズとワトソン

応天の門 2 (BUNCH COMICS)

とにかく業平と道真のコンビがいい感じです。ホームズ&ワトソンもそうですが、テレビドラマ「相棒」の杉下右京と亀山薫みたいでもあり。なんしか、境遇も性格も違う二人がタッグを組んで事件解決に挑む様子が最大の魅力ですね。

平安時代が舞台と言っても、朝廷のドロドロがメインではなくて、京で起きる怪奇事件は鬼や妖(あやかし)の仕業じゃなくて実は人間がやってるんだよ、っていうのがテーマなので、そんなに難しい印象はないです。
ミステリーなのでシリアスな展開がほぼほぼですが、二人のやりとりにクスッとなったりもします。

道真と言えば、先にも書きましたが、晩年は太宰府に左遷されてしまうのですが、このマンガを読んでるとよくよく「頭はいいけど、よい人間関係を築くのはヘタなんだな」と思いました。遣唐使廃止も、周りが言い出せない雰囲気だったのに進言した、って何かで読んだ記憶が…。

作中の道真はまだ10代の学生なんですが、晩年のことを思うと「もっとうまく立ち回れよ!」って心配になっちゃいますね。

おすすめポイント

業平と道真のコンビが最大の魅力ですが、もひとつ、業平の「渋い男」の度合いがハンパねぇです。
道真が10代で、プラス20歳だとそれなりにオッサンですけど、懲りずに女遊びするチャラさに似合わない渋さに☆5つあげたい。

さらにもう一つ、業平とのちの皇太后・藤原高子の恋愛関係がチラっと見えるのもいいです。(元カノですけど)

普段ミステリーとかサスペンスものはあまり読まないのですが、「平安が舞台のミステリーってどんなネタがあるのかな」という興味で読み進めています。歴史ものというより、やっぱりミステリーものなのかな。
あ、解説ページもあって作中の世界観を補足してくれてたりしますよ。勉強になってます。

この作品以前から作家さんのファンでもあるので、できるだけ長く読みたいなぁと思います。